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488 逆吸血鬼と存在しない町 sage 2008/08/31(日) 01:54:08 ID:YaF8J6x30
 子供のときに見た心霊ドラマのせいで、闇や影を極端に恐れるようになった。
そのせいでクラスメイトには散々からかわれ、よく暗い所に引っ張られ、ついたあだ名が逆吸血鬼というのは・・・・・なんだかなあ。
確かににんにくは大好きで、十字架のペンダントをつけてたし、血見たら倒れそうだった。
でも逆吸血鬼はどうかとおもう、それはあだ名ではないだろうと。
でも、本気で呼ばれてたし、当時はそう疑問に思ってなかったから子供の感性は理解できない。

 小さいときから俺には、放浪癖みたいなものがあった。
暗闇を極端に恐れる前はそのせいで、深夜まで家に帰らず近所の人も巻き込んで捜索隊を結成されたあげく、町外れの神社で保護されて親に死ぬほど引っ叩かれたことがあった。
暗闇を恐れている今は、夜になる前に家に戻るようになっていたから親も心配事が一つへってホッとしてただろう。
だけど放浪癖は健在で、友達と遊ばないときでや休みの日になれば、外に出てあらゆるところを彷徨っていた。
休みの日などは、朝7時におきて、10時までに可能な限り遠くまで行って印をつけてから昼までに帰ってきて、次の学校でよく友達に自慢していた。
最高で3駅先まで行ったことある。歩きである。
自転車を手に入れた時はもっと酷くなり市外まで出たことある。

 ある日、自転車がパンクしたせいで行動範囲が極端に限定されていた時期があった。
すでに家から学校までなら、長年の放浪で家の裏山を除き全て把握していた自分だが習慣は止められないもので、親に断らず外に出た。
で、そこを見なくても絵が書けるくらい把握していた町内をぶらぶらしていた時、ふと違和感がした場所があった。

 それは山と川に挟まれた道、川向こうに向かうための橋の掛かっている所。
山の向こうの暗闇に内心びくびくしながら歩いていて、いつもならそのまま通り過ぎるはずだった。
ところが、その日は意外なものを眼にした。
本当なら山に阻まれてT字路になっているはずの場所が交差点になっていたのだ。
ここは何十回、何百回も通った場所だから交差点ではないはずである。
昨日は確かにT字路だったはず。
だけど子供だった自分はその理由にすぐ得心が行った。
「きっと深夜にうちに業者が工事をしたんだ」
本当なら一日で道路などできる訳がない。



489 逆吸血鬼と存在しない町 sage 2008/08/31(日) 01:57:03 ID:YaF8J6x30
ましてや事前に告知のない道路工事など本来ありえない。
子供ならではの無知故の勘違い。
当時の俺は好奇心の塊だった。
そのせいで心霊番組なんぞを見てしまい結果として闇恐怖症になり反省していた。
はずなのに、勘違いですっかり安心した俺は何の疑問もなくこの道がどこに通じているのか知るために踏み込んだ。

 恐怖がないと知れば、好奇心は際限なく膨れ上がる。
未知のジャングルを探検する冒険家のごとく、アスファルトの坂道を駆け上がる。
いつの間にか、あたりは住宅地になり、なのに人の気配はしなかったが、まったく気にならなかった。
この道はニュータウンに繋がるための道だったのだ。
そしてこれらも最近建てられた家なのだ。
だから人の気配がないのは当たり前だと。
だがこれほどの規模となると山を丸まる一つ削らなければならないほど。
何時そんな工事が行われたのか?
そもそも、道路を作るのと順序が逆になっている。
でも俺はヘリコプターで空輸という勝手な理屈で納得していた。
子供は効率など考えない。
そしてさらに住宅地の向こうへと向かう。
住宅地を横断したときにようやく気づく。
これだけ歩いたら、山向こうの学校についてしまっているのでは?
そして、学校の近くにこんな住宅地あったっけ?
何故なら、目の前には自分が通っている学校があったから。

 「木曜の怪談」という番組で、宇宙人が作った町という話があった。
当時、親に夜寝れなくなるからと注意されながらも、好奇心と恐怖心の狭間で観ていた一番のお気に入りだった番組である。
その話では、主人公の少年たちは町から人が消えたことに気づき、その原因が宇宙人による誘拐であると気づくが、
実は主人公たちのいる町自体が、宇宙人によって作られたコピーであり、主人公たちのほうが実は誘拐されていたという話。
その後、主人公たちは地球のUFOを追跡するライター達の協力で無事脱出する。
俺はそこにいるのではないか?
そう思った瞬間、今まで理屈という檻に閉じ込められていた恐怖と疑問が復活した。
そう、たった一日で町なんてできるわけがない!



490 逆吸血鬼と存在しない町 sage 2008/08/31(日) 01:58:05 ID:YaF8J6x30
ならこれは何だ?
後ろを振り返る。
相変わらず人の気配のない住宅地
これは町に偽装したUFOだ!
そう結論した。
そして俺のおかれている立場に恐怖した。
これじゃあ、わなに飛び込んだも同然ではないか?
目の前にはよく親しんだ学校がある。
そこには遠目ながら遊んでいる子供たちがいた。
宇宙人に気づかれる前に急いで逃げないと・・・・・・。
そうして俺は走った。
必死に目の前の道を走った。

 そして、目の前の車が走っている普通の道路を渡り、学校の校舎の中に飛び込んだところで、ようやく一息ついた。
グラウンドでは、野球部の少年たちが練習をしていた。
それをみて、安心する。
そして横目でそっと先ほどまでいた住宅地の様子を伺う。
それは山の上に覆いかぶさるように存在した。
だが自分の記憶をいくら探っても、あの山に住宅地が存在した記憶がない。
何より、ほかの人がまるでその住宅地を存在してないかのように扱っているのが不気味だった。
事実、どの車も住宅地に入ろうとしない。
そして最も異常なのは、信号。
それは例の住宅地に続く交差点の信号。
信号は赤になっているのに、車が止まらないという事実。
きっと運転手には信号どころか交差点の存在すら分からないに違いない。
あれには関らない方がいい。
それが俺の出した結論だった。
だから、学校を出て普通の通学路を通って帰ろうと思った。
そして今日はゼルダをやって時間をつぶそう。
「おい!」




491 逆吸血鬼と存在しない町 sage 2008/08/31(日) 01:58:51 ID:YaF8J6x30
突然声をかけられた俺は、脱兎のごとく走り出した。
「あ、まてって!」
そういわれて待つやつなどいない。
(宇宙人に見つかった)
そう思ったからだ。
チラッと見た感じだと、若い普通の男性みたいだったがそのときは冷静ではなかった。
だが、子供が大人に勝てるはずもなく、程なくして俺はつかまった。
それでも、鳴いて喚いて噛み付く俺を男は必死になだめてくれたおかげでだいぶ落ち着いた。
「本当に、本当に宇宙人じゃないの?」
「違うから・・・・・・」
半分疲れたかのように男はいった。
見た感じ普通の男、どこにでもいるような大学生か高校生だった。
それでも宇宙人ではないかと疑った俺はいろいろ質問をした。
「おっさんの血の色は何色?」「おっさんじゃねえ・・・・・赤」
「なら血液型は?」「A型」
「星座は?」「水がめ座」
「なら今日の運勢は?」「最下位だったな」
とかetc。
「どこをどう見たら、宇宙人に見えるの?俺が?」
半分あきれている。
確かに眼は真っ黒ではないが、でもコンタクトをしている可能性がある。
だから確かめるためにチョキで男の目をぶっ指した。
「~~~~~~」
男はそこら辺を転げまわった。

 「ごめんなさい」
数分後、立ち上がった男がしたことはまず目をよく洗うことであった。
目は真っ赤になっているから、コンタクトではなかった。
「コンタクトをしているわけではないとわかったな?」
男はため息をついた。完全にあきれているようだが怒ってはいなかった。
「俺もう家に帰るから。ありがとうございました」



492 逆吸血鬼と存在しない町 sage 2008/08/31(日) 01:59:43 ID:YaF8J6x30
「ちょっと待って」
俺は振り向いた。
「君は何年何組?」
「6年2組ですが、何か?」
「この教室は何年何組かわかる?」
何をいってるんだこの人は?と思った。
ここは東校舎の二階で二番目の教室なんだから、
「5年2組でしょ?」「残念、外れ」
嘘だと思うなら札を見てみなよ、といわれて廊下を見ると1年2組だった。
そんな馬鹿な。
俺はすぐに三階に向かった。
自分の教室は、
「2年2組だって?」
すぐに東校舎を出て西校舎に向かう。
3階にいくとそこに6年2組があった。
だがそこには、俺の席がなかった。
呆然としていた自分の背後にあの男がいた。
「君が何をいいたいかはわかっている。俺はそのためにここにいるしな」
「ここ、何処?」
「少なくとも君の居ていいところではないだろうね」
そういえば、なぜこの男はここに居るのだろう?
ここは小学校で、彼が学校の関係者にはとても見えなかった。
「君が君に家に帰ったとしてもそこはきっと君の家ではないだろう。だから、俺の話を聞いてくれな・・・あ!」
俺は走った。逃げるためではなく確かめるために。

 学校を出て1分ほどのところに友達の家がある。
30秒足らずで友達の家の前に着く、そこの表札は確かに友達の苗字だった。
ホッとした。チャイムを鳴らした。そうしたらいつものようで、オバさんが応対してくれる。
そう思ったのだ。
「はい?どちら様?」
だが出てきたのは、オバサンではなく若い男だった。



493 逆吸血鬼と存在しない町 sage 2008/08/31(日) 02:01:03 ID:YaF8J6x30
「あの、横井です。正人くんはいますか?」
見たことない男だが、きっと正人のお兄さんだと思った。
「正人は俺のことだが?」
え、何それ?目の前の男が正人?どう・・・・・・いう・・・・・・こと
そこにさっきの男が走ってきた。
「ああ、すまん。この子、俺の親戚でな。じゃあ、そういうことで」
「あ、おい!」
男は俺を担いで公園に連れて行く。
 
 公園のベンチに二人で座っていた。
「ねえ、どういうこと?あの男が正人だって嘘だよね?」
「ああ、嘘だ」
男は真顔でそういった。
「あの正人は正人であって正人ではない。だがこれでわかっただろう?此処は君のいていい場所じゃない」
「どうすればいい?」
「帰ることだ。可能な限り早く。俺は君を帰すためにここに居る。そういうことになっている」
男は立ち上がる。ついて来る様にいわれたのでついていくと、そこは例の住宅地前の交差点だった。
「もう判ってると思うけど、君が君の家に帰るためには、この交差点を渡り住宅地をもう一回抜けないといけない」
そんなの無理だ。こんな訳の判らない所通るくらいなら、ここに居た方がいい。
「駄目だ。此処は君の居ていい場所ではない」
そんな気持ちは既に見透かされていた。
「でも・・・・・・」
「大丈夫。俺も手伝う」
俺は男を見た。何かを確信するかのように男の顔は自信に溢れていた。
「でもこの交差点を渡るためには、君の力がないといけない。君が俺の手を握ってこの交差点を越えないと俺はこの先には進めない」
だから、と男は手を差し出した。
恐怖心が薄れてゆく。
この男がいれば大丈夫という不思議な安心感があった。
だから、手を握って交差点を渡る。
一歩、二歩、そして交差点を渡りきったとき、男は手を離した。
「ここか・・・・・・」



494 逆吸血鬼と存在しない町 sage 2008/08/31(日) 02:02:18 ID:YaF8J6x30
男は辺りを見回していた。
「ねえ、ここってなんなの?」
「君は知らなくていい。そういうことになっている」
それから男はいたずらっぽく笑い。
「まあ教えてもいいけど、知ったら帰れなくなるかもよ?それでもいい」
俺は勢いよく首を横に振った。

 住宅地は相変わらず人の気配がなかった。
「ゴーストタウンって言葉がぴったりくるな」
男もまったく同じことを考えていたらしい。
「おっさんは此処に来たことがあるの?」
「おっさんじゃねえよ、子供のときに何度かな・・・・・ヤベ」
男は俺を担いで、慌てて物陰に隠れた。
ついでに何故か目と口を両手で覆われる。
「しっ」
おとなしくするようにいわれたので、耳を澄ますと向こうから足音がした。
それはだんだんこちらに向かってくる。
息を潜めてじっと待つ。
やがてそれはすぐ壁の向こうを通り過ぎ、向こうに消えた。
「今のは?」
「俺たちと同じ侵入者」
「何で隠れないといけないの?」
「ここでは侵入者同士は会っちゃいけない。そういうことになっている。大事なことだからよく覚えとけ」
「こんなとこ二度と来るもんか!」
「まあ、そうするにこしたことはないよな」
男はまるで自嘲するかのよう笑っていた。
何故か気に入らない。
「なんなのさ?」
「別に」

 侵入者をやり過ごしてしばらく歩くと、住宅地の終点が見えてきた。
「あそこを出れば、君は元の世界に帰れる」


495 逆吸血鬼と存在しない町 sage 2008/08/31(日) 02:03:34 ID:YaF8J6x30
そういった男はふと後ろを振り返った。
「どうしたの?」
「気づかれた」
誰に?という言葉は飲み込まれた。
何故なら、今まで無人だと思っていた家の窓全てに人の影らしきものが浮かんでいた。
それらははっきりとした輪郭を持っているわけではない。
幽鬼のようなぼんやりとした感じなのに、そこら中から痛いほど視線を感じていた。
何故?ばれてはないはずなのに。まさかあいつが・・・・・・そんなことを男はつぶやいていた。
「どうやらさっきすれ違ったやつがヘマしたらしいな」
「そんな・・・・・・どうすれば」
「兎に角走れ!」
そういって背中を押された。
だが男は走る気配がない。
「おっさん!」
「俺は此処までだ。これ以上は行けないんだよ」
「そういうことになってるから?」
一瞬、男は真顔になり、そしてニヤリとした。
「そういうことだ。覚えとけよ!忘れるなよ逆吸血鬼!」
そして男は住宅地の奥に走っていった。
幽鬼達の視線が男のほうに向かっていった。
その隙に俺は駆け出した。
兎に角走る。
後ろからあの黒い影が追ってくる気配がする。
今にも後ろ髪を引かれそうな距離にいるのがわかる。
怖い、怖くて仕方ない。
でも振り返ってはいけない。
ドラマとかではこういうところで振り返ったら死ぬ。
そういうことになっているから。

 やがて俺は橋の上に居た。振り返ると、背後には山が聳え立っている。
そして、あの道はなくなっていた。思わずその場に座り込んだ。足腰が立たなくなっていた。



496 逆吸血鬼と存在しない町 sage 2008/08/31(日) 02:04:38 ID:YaF8J6x30
しばらくそのままでいたが、やがて足腰にも力が戻った。
空はもう既に赤く染まり、カラスが鳴いている。
家に帰らなければ。
そして立ち上がり、改めて道のあった山を見て、

そこから無数の目が一斉にこちらを見返して、

その後の記憶はない。
気がつくと病院に居た。
目が覚めて最初に見たのは医者の顔、そして次に看護師さんが脈を図っていた。
次に母親が部屋に飛び込んでくる。
泣いていた。
何故泣いているのか聞いたらさらに泣いた。
夜になって父親もやってきた。
初めて父親の泣き顔をみた。
どうやら一週間も行方不明扱いだったそうだ。
たった数時間で死ぬほど殴られるから、一週間も消えていたらすごく怒られるんじゃないかと思っていたのでこれは意外だった。
もし一ヶ月も俺が消えていたらどうなるんだろう?
試したくはないけど、そう思わざるを得ない。
翌日警察の人が来て、消えている間の事を聞きにきたが、素直に覚えていないと答えた。
知らない道を散歩していたら気を失って、気がついたら病院に居たのだから嘘はついていないつもりだ。
大体、こういう話は語ったところで信じてもらえないばかりか変人扱いされて病院送りだ。
そういうことになっている。
同じ体験をしているなら話は別だけど、ね。


497 逆吸血鬼と存在しない町 sage 2008/08/31(日) 02:05:51 ID:YaF8J6x30
 結局、気になって調べてみたら似たような話は結構あるらしい。
変なところに迷い込んだら、そこには変な機械を持っているおっさんが居て、元の世界に送り返されるという話。
俺の場合は若い男だったが、彼もおっさんの仲間なのか?
彼とした会話は今でも結構はっきりと記憶に残っている。
その会話を元に俺はある一つの仮説を作った。
ただそれは、おかしな点がいくつかあるために確信にはいたってない。
それは、彼の行動に無駄があること、6年2組が2年2組になっていないこと、そして未だに俺がそれを経験してないということ。
だから結局あれが何だったのかは判らずじまい。
それにこの仮説が正しいとしても、無数の目と幽鬼については説明できないから結局お蔵入りとなっていた。

 ただ最近進展があった。それはあの山を削ってそこを住宅地にする計画があるということ。
工事予定はまだ確定してないし、地元住民に説明会を開いている段階だが、俺はこの計画が確実に成功するような気がしてならない。
そして、住宅地が完成すればあの幽鬼達の正体をつかめる。
そういうことになっている、かどうかはとりあえず完成するまでわからないけど。
おわり

503 本当にあった怖い名無し sage 2008/08/31(日) 04:31:29 ID:dY2xrbm40
怖い夢を見た。
俺は会社からの帰り道、歩きながらワンセグケータイでニュース観てたんだ。
そしたらニュースでうちの近くで犬が殺されたってニュースやってた。
犬の飼い主が散歩中に眼を放したすきに知らない女が犬を殺して逃げたらしい。
で、飼い主が半狂乱になりながらニュースのインタビューに答えてた。

どうやら1ヵ月前にも同じ事件があったらしい。
犯人と思われる女の映像がコンビニの防犯カメラに映っているらしく、その映像も見た。
映像にはピザ女がコンビニに入ってくるところが映ってた。
かなり太った風貌が明らかにホームレスって感じのピザ女で、顔が分かりづらくて年齢不詳。
髪はチリチリのロン毛で、長さが腰のあたりまであるのが分かった。
俺は「これ完全に池沼浮浪者じゃんwwwはやく捕まえろよ警察www」
とか思いながらパッと目の前を向いた。

そのピザ女が立ってた。



504 本当にあった怖い名無し sage 2008/08/31(日) 04:34:00 ID:dY2xrbm40
「うはwwこれ絶対犯人の女だろww動画撮ってmixiのっけよwwww」
とか思ってケータイでムービー撮りながら追跡した。10㍍位間隔あけて歩いた。
ピザ女トボトボ歩きでかなり遅かった。分速50㍍くらい。
それを追跡してた。
そしたら急にピザ女が止まって振り向いた。こっちを。
俺、なぜか逃げない。
女がすごい速さでこっち向かってくる。いつの間にか警察に囲まれる俺、何故か友人の友人が警察。

糞怖かったが、ここで「夢」特有のめちゃくちゃ設定になって急に話が訳わからん方向にいって目が覚めた。



朝起きたら嫁と伊豆旅行に来てた。
大きめの民宿に泊まっていた。1泊2日で来たらしく、帰りの支度をしていた。
嫁が急に「怖い夢見た」と話す。



505 本当にあった怖い名無し sage 2008/08/31(日) 04:36:57 ID:dY2xrbm40
話の内容聞いてるとおれの見た夢と全く同じ夢を見ていた。
話し方が違うから確信では無いが、内容を聞くと、どうやら俺と同じ夢みてるのが解った。
嫁はかなり怖がっていて、俺も同じ夢見たとは言えなかった。
俺もかなりビビってた。泊まった部屋が過去に何かあった部屋なんじゃないかと疑うくらいだ。

そのままチェックアウト済ませて民宿を出て目の前のバス停でバスを待った。
そしたら嫁が「ケータイを部屋に忘れた」とかぬかす。
仕方なく嫁をバス停に残し俺が取りに行くことに。
ついでに宿主のおっさんにあの部屋のこと聞こうと思ってた。


しかし、部屋に行こうとしたが何号室だったかが思い出せない。経路も思い出せない。
仕方なく、恥を忍んで宿主に何号室だったかを聞きにいった。そのついでに部屋のこと聞いた。

俺「あの部屋、昔なんかあったんすか?昨日怖い体験したんですけど」
宿「やめてよお客さん。何もないよ。」「変な噂ながさないでよ(笑)」
まあ思っていた通りのやりとりだ。

部屋に行こうとして振り返ると知らない少女が立っていた。




507 本当にあった怖い名無し sage 2008/08/31(日) 04:42:04 ID:dY2xrbm40
さて部屋に行こうとして振り返ると少女が立っていた。
どうやら宿のこどもらしい。どうしたの?と聞いても答えてくれない。
ただ一言「こっち」と言って歩きだした。
どうやら俺を部屋まで案内してくれるという。

階段を上って2階へ、昨日今日通った経路のはずなのに初めて通る感覚だった。
1日過ごした部屋までの経路を思い出せない自分が恥ずかしくなったが、俺は冷静だった。
(このパターンは危ない。この少女は危ない子だ、よくホラー映画であるパターンだ)
そう思いかなり警戒していた。何を話しかけても少女は無反応。
やはりこの宿はなにかやばいものを感じる。
ふと、窓の外に目をやった俺から血の気が引いた。

昨日の夢に出てきたピザ女が徘徊していた。




508 本当にあった怖い名無し sage 2008/08/31(日) 04:43:33 ID:dY2xrbm40


俺は嫁のことが心配になり慌てて戻ろうとした。
すると何かに手を掴まれた。俺は「きたよ、幽霊少女だやっぱ」
と思い腕をみると、やはり少女が俺の腕を掴んでいた。
振り払おうとしたが、ものすごい力で掴んでいるため離れない。
俺は気持ち悪いまでに冷静だった。
これは夢だろうと考えた。少し手の込んだ夢だ。しかし、すぐに違和感を感じだ。
夢にしては具体的すぎるからだ。
夢特有の訳わからん設定もないし、夢なら、これだけ冷静に分析できないだろう。
これは夢じゃない。

気づくと少女は消えていた。俺は急いで1階に戻り宿を飛び出た。
嫁の姿が見当たらない。
嫁に電話をかけた。電話の向こうで酷く怯えていた。
どうやらバス停で俺を待っていたが、目の前に夢で見たピザ女が徘徊してたそうだ。
嫁「信じてもらえないかもだし、私の思いすごしかもしれないけど、怖くなったからたまたま通ったタクシー拾って先に駅に向かっている」

嫁、俺は信じるよ。俺もお前と同じ夢見て、同じ光景をみてる。
電話を切る俺は部屋までの経路を思い出した。
部屋にもどりケータイを取り嫁のもとへ向かうバスの中で俺の血の気が引く。

そもそも俺は嫁の忘れたこのケータイを探しに戻ったんだ。
さっき、電話で話したのは誰だ?

おわり518 1/5 sage 2008/08/31(日) 15:37:20 ID:Byw8M9Hs0
俺が小学生の頃の話。
5年生だったから、もう想像と現実の区別はできているのに、
絶対に現実とは思えないのに、
どうにも頭から離れないある映像が気がかりでならなかった。

どうも、自分は小さい頃に人を殺したことがあるらしい。
幼稚園にも入る前で、相手は同じ年頃の小さな女の子であるらしい。
近所にそんな小さなうちに死んだ子はいないのだが、
なぜかそんな気がしていた。
その子の骨が埋まっている場所の映像の記憶。
それが頭から離れない。

田舎なもんで、林を切り開いて建てられた俺の家は庭が結構広かった。
当時は回りの家もみなそうで、林と畑の間にぽつぽつと家が点在している集落。
所々に点在する古井戸や廃屋などが、
子供たちの格好の肝試しスポットになっていた。
そんな土地だ。



519 本当にあった怖い名無し sage 2008/08/31(日) 15:40:39 ID:Byw8M9Hs0
俺の家の庭の隅の方にある、
使っていない古い物置小屋の裏側の陽が当たらない場所、
その向こうは深い森になっている、じめじめとした薄暗い狭い空地。
そこの落ち葉に覆われた柔らかい土の下に、
その女の子の骨が埋まっている。
その場所が恐ろしい。
...そういう夢を何度も何度も見た。
それが、小学5年生だった俺の頭に刷り込まれていた映像だ。
その狭い空地は子供には薄気味悪い場所なので、
そんなところで遊んだことなどほとんどなかったのだが。

想像と現実の境目ははっきりしているから、
俺はその映像がただの夢であることを確かめようと思った。
そして俺はひとりで、その薄暗い狭い空き地に立った。
誰もおらず、昼間ながら周囲はしんと静まりかえっている。



520 3/5 sage 2008/08/31(日) 15:43:17 ID:Byw8M9Hs0


樹木の並び方、しょぼしょぼと力無く生えている日陰の雑草、
俺の記憶と違いはない。秋でまだ寒くはなかったが、俺は鳥肌が立った。
記憶の目印である小さな常緑樹(榊の木だった)はすぐに見つかった。
夢の記憶の通りに、そこにはかすかに陽が当たり、
湿った枯れ葉が積もっていて、踏んだら柔らかくて足が沈み込んで、
ぎくりとした。
もともとくぼんでいたところに、落ち葉や枯れ草が積もったらしい。
そこにはほとんど草も生えていなかった。
俺は、用意していたスコップでそこを慎重に掘り始めた。

するとまもなく、スコップはかちりと何か硬いものに当たった。
枯れ葉と湿った土の隙間から、白いものと布と、
髪の毛の束ようなものが覗いていた。
俺は全身から血の気が引き、気が遠くなるのを感じたが、、
やはり、という妙に透き通った夢の中のような感覚も同時にあった。
恐怖が麻痺したような夢見心地の中で、俺は淡々と土や枯れ葉を除け、
そのものを掘り出した。
半ば腐り崩れかかった着物を着た、市松人形だった。



521 4/5 sage 2008/08/31(日) 15:45:46 ID:Byw8M9Hs0
俺は掘り出したそれを母に見せた。母は、
「けっこう立派な作りだし、人の形をしたものだから、
これはちゃんと供養しないといけないね」と言い、
すぐ近くのお寺に持って行ってくれた。
ここから後は、母がお寺の老住職さんから聞いてきた話になる。

この市松さんは40年以上前に亡くなった、
以前近所に住んでいた一家の女の子のものに間違いなかろう。
その子がとても気に入っていたものだったから、
あのときお棺に一緒に入れて送ってあげようとしたのに
見つからなかったものだよ。

その女の子が亡くなったのは事故でね、
小さな子供たちだけであのあたりで遊んでいたとき、
ある男の子が振り回していた火箸かなにかがすっぽ抜けて、
その女の子の頭に刺さってしまったらしい。
(目に刺さったんじゃないかしらね:母)
子供たちが「大変だ」とぐったりした女の子をお寺に連れてきたものだから、
大騒ぎになったよ。
結局その子はその傷が元で亡くなり、
男の子の方は少し後で風邪をこじらせた肺炎で亡くなった。
あのころはこのあたりに医者がいなくて、
当時は贅沢品だった自動車なんぞ持っている家があるはずもなく、
手当がどうしても遅れがちだったんで二人とも可哀想だったな。
女の子の家も怪我をさせてしまった男の子の家も居づらくなって
遠くへ引っ越してしまたので、
今ではここらで憶えている人も少なかろう。



522 5/5 sage 2008/08/31(日) 15:48:35 ID:Byw8M9Hs0
そのとき俺の祖父母が生きていれば、
人形を見た瞬間にはっと気づいたかもしれない。
その女の子は、たまたま市松人形を持って遊びに出て事故にあい、
人形を落としたのがあまり人が近寄らない場所だったのと
子供たちがその子をあの場所からお寺に連れて行ってしまったのとで、
そのままになってしまったのに違いない。

それから俺は、あの場所に骨が埋まっている夢を見ることがなくなった。
俺はオカルトは信じない方だが、
女の子に人形を返してあげることができたという安堵の気持ちを
打ち消すつもりはない。
もともと仲良しだった二人の子供たちが
大好きだった市松さんを俺に託して取り戻したかったのだろうと思うことにした。

おわり。

532 逆吸血鬼と下水処理場跡 sage 2008/08/31(日) 18:29:49 ID:YaF8J6x30
 逆吸血鬼というあだ名は、俺が夜の暗闇やひどいときは昼間の暗い影にすら怖がって近づこうとしないところから由来しているが、その

反応が面白いのか滑稽なのか知らないが、よく友達やクラスメイトに引っ張られ森とか廃墟とかに行かされたことがよくある。
俺としてはこのあだ名は少しでも早く返上したかったから、怖くても誘われれば断れなかった。
仮にもし断ろうもものなら、「逆吸血鬼(笑)」とかいわれるのは必死。
もっと酷くなれば、付き合いの悪いやつ、として虐めの対象にされる可能性もある。
子供の世界も面倒なのである。
もっとも行った先で、いつも死にそうな顔をしているから「横井は光が完全になくなると灰になる」説の信憑性がさらに高まり、逆吸血鬼

としての地位は磐石のものになっていたなんて当時は思いもよらなかった。

 誰でも子供のころからあだ名というのはあったと思う。それも一つではなく複数。
逆吸血鬼はそんな複数のあだ名の中の一つで、俺からすれば他人には絶対にばれたくないあだ名の一つだが、こういう話をするときはこの

あだ名は欠かせない。
前述した通り、心霊スポットとかにいく時によく使われるあだ名であることもそうだが、この異常な恐怖心が時に救ってくれたこともある

からだ。
「おい、逆吸血鬼」
放課後、家に帰ろうとして呼び止められた。普段は俺のことを横井と呼ぶやつである。
「何?」
だからこのあだ名で呼ばれるときは、碌なことがないと知っているが、此処で逃げるわけにも行かないから返事をした。
「山下りたところにある下水処理場を探検しようぜ!」
やっぱり、としか言いようがない。
下水処理場とは家のすぐそばにある5年位前から活動を停止していた廃墟のことである。
当時は機能をほかの施設に移し、公園にする計画があったそうだが予算の関係で当時そのままの状態で未だに放置されている。
「もちろん行くよな?」
もちろん行くに決まっている。
そのときメンバーは俺を含めて4人。
家にランドセルを置いた後、下水処理場の入り口で待ち合わせることになった。



533 逆吸血鬼と下水処理場跡 sage 2008/08/31(日) 18:31:00 ID:YaF8J6x30
 まず下水処理場に一番近い所に家がある俺と、通学路途中の家がある友人の正人が先に着いた。
次についたのがクラスのガキ大将的存在とその腰巾着だが、プライバシーの問題があるので、ジャイアンとスネ夫ということにしておく。
ジャイアンが入り口に到着し、ようやく探検を開始する。
とはいえ、人通りの多い入り口から入るわけではない。
まず、グルリと下水処理場の裏に回りそこにある入り口から中に入るのが近辺の子供たちの公然の秘密だった。
当時は格好の遊び場であった此処は、たまに違うグループが先に入っていることもあったが今日は俺たちが一番乗りだった。
かつての社員寮跡は建物がつぶされて広い草原となっており、近所に公園がなかったので、みんなはそこでボール投げをしてよく遊んでいるのだ。
本当は不法侵入もいいところなのだが、予算の関係で公園にできなかった負い目があるのか、たまに来る職員みたいな人に見つかっても建物には近づくなといわれるだけで、草原でのボール遊びは認めていた節がある。
だが、今回は違う。
その近づいてはいけない建物に近づこうというのだから。
当然、俺は法律的、経済的に反対した。
「びびってんのか?逆吸血鬼(笑)」
「びびってねえよ!危険だし、見つかったらお前だけじゃなく皆怒られるだろが。ボール遊び禁止になってもいいのか?」
「今日は職員こねーよ。知ってるだろ?」
知っている。目の前に家があるのだから。
ジャイアンもそれをよくわかっている。正人はこちらが不利だと味方しない。スネ夫は言うまでもなく。
結局3対1で押しきられることになった。

 ちょっと入るだけ、危なそうならすぐ引き返すこと。
この二つを条件に俺は承諾した。
ジャイアンがまず先頭で建物の中に入る。
次に正人、その後ろに俺、そして俺を逃がさないためにスネ夫が最後に建物に入った。
下水処理場の建物の中は、保存状態がよく、物がない以外は稼動中とまったく変わらないようだった。
ただ、長年の放置のせいでガラスなどが一部割れており、そこから木の葉が入り込んでいたりするところが廃墟らしい。
「おい知ってるか?」



534 逆吸血鬼と下水処理場跡 sage 2008/08/31(日) 18:31:50 ID:YaF8J6x30
研究室みたいな一角で、ジャイアンは立ち止まる。
廃墟なので電灯はついておらず、あるのは部屋のドアの小さい窓から入る明かりだけという中で、わざわざ止まったのに悪意を感じた。
既にこの時点で顔は真っ青になっており、正人やジャイアン達の手前、プライドだけで平静を保っていられるような状態である。
「ここが何故閉鎖されたのかという理由を」
「知るわけねーだろ!」
恐怖を紛らわすためにわざと大声で答えた。
だけどそれは他人から見たら強がりなのは明らかなようで、ジャイアンはその様子に満足げだった。
「ここでは昔、」

「人死があったらしいね」

わざとらしく言葉をつなげたいたのはスネ夫だった。
人死・・・・・・そんなわけない。
ここの閉鎖理由は機能を別の場所を移転したからだ。それ以上でもそれ以下でもないだろうと。
「じゃあ、何故機能を移転しなければならなかった?別にこのままでもよかったじゃないのか?」
「移さざるを得なくなる理由があったんだよ。そうとしか考えられない」
「それが人死だって?」

 スネ夫は語り始めた。
ここでは昔ある職員が水質調査のために、水槽の水を取ろうとして誤って足を滑らせたらしい。
しかもそこは水を攪拌するために機械が作動していた。
気づいた職員が慌てて機械を緊急停止させたが、手遅れだった。
職員は機械に巻き込まれバラバラになった。
後に遺体の殆どは回収されたのだが、何故か右腕が見つからない。
右腕は汚泥と区別できないくらいバラバラに分解された。
そう結論付けられた。
そしてその日以来、機械の故障が頻繁に発生するようになる。
職員たちの間に死んだ職員のことがささやかれるようになり、ついに下水処理場の閉鎖を決定的にした事件が起こる。
それはいつものように機械が故障した日のこと、その機械を管理していた職員が原因を探るために水槽に近づいた。



535 逆吸血鬼と下水処理場跡 sage 2008/08/31(日) 18:32:44 ID:YaF8J6x30
その時、水槽から伸びた右腕が突如職員の手をつかみ水槽に引きずり込んだ。

そして故障していたはずの機械が突然動き出し、その職員はバラバラにされた。
二人もの人死を出したことで、警察のメスが入る。
その結果、市会議員と企業との癒着が発覚し、そのせいでこの事故は有耶無耶になったのだ。
その機械は今でも放置されているのだという。
「その機械は実はこの建物の地下にあるという話だ」
スネ夫の話は実に巧みだった。
自分にもその話の才能が10分の1でもあればいいと思う。
その話は、与太話だと分かっているはずなのにこの下水処理場の雰囲気もあいまって、鬼気迫る臨場感があった。
正人も、これが嘘であるというのは分かっているはずなのに思わずつばを飲み込んだ。
ジャイアンですら、俺を怖がらせるための話のはずなのにビビっていた。
「とと、言うわけだ。こ、これからそこに行くつもりだが、ももちろんついてくるよな?正人も逆吸血鬼も」
ジャイアンが俺を逆吸血鬼と呼ぶときは暗に逃げるなよといっているに等しい。
その話だけでもう今すぐ死にたくなっていた自分はうなずくことはできない。
無言を肯定と受け取ったのか、ジャイアンは恐る恐る歩いてゆく。
正人がそれに続き、スネ夫に背中を押され俺もようやく歩き出す。

 やがてその地下に続くという階段があるドアの前にたどり着く。
どうやらジャイアンとスネ夫はあらかじめ建物の中を歩き、その目星をつけていたらしい。
すでにそこは窓からの光も差さない場所で、ジャイアンが持って来ていたライト以外には光が存在しなかった。
俺はというともうライトの光を見ること、もうそれだけに意識を集中している状態。
それ以外はどうでもよかった。
だから、ライトの先に「非常階段」と書かれていたのをはっきりと覚えている。
「おい、逆吸血鬼。お前があけろ」
いきなりの指名。
無我の境地に達していた俺にその言葉はすんなり入り、まるで幽鬼のようにフラフラとドアの前に立ち、ノブを回した。
だが、その地下に続くはずの階段は水の底に沈んでおり、どう見てもいけそうな感じではなかった。

「うわああああああああああ!!!」


536 逆吸血鬼と下水処理場跡 sage 2008/08/31(日) 18:33:31 ID:YaF8J6x30
いきなりジャイアンが叫んだ。
驚いて振り向いた先で、ジャイアンの右手にあったライトが床に落ちてゆく。
もし、もし床に落ちた衝撃でライトが消えたら?
真の暗闇、自分が最も恐れるもの。
その発想は俺に不思議な力を与えた。
時間がゆっくりになった。
俺はすかさず飛び出し、ヘッドスライディングの要領でライトを手に取り、起き上がった。
光になるものを持っていれば心はだいぶ落ち着く。
「どうしたんだよジャイアン?」
そういったのは正人である。
ジャイアンもスネ夫もまるで幽霊を見たかのように、ドアの向こうを見つめていた。
だが、光に照らされた先には水面が移るだけでほかには何もない。
「違う、違うんだよ。そんなつもりはなかったんだ」
ジャイアンは訳の分からないことをつぶやいている。
スネ夫も壁に張り付いて息を荒くしていた。
ここに居ても仕方ないし、何時までも居たくなかったので、外に出る。

 建物の入り口でジャイアンとスネ夫はようやく落ち着いたらしく、ポツポツと語りだした。
「実は昨日あそこに行ってたんだ。その時はあんなふうにはなってなかった」
「階段が暗闇の向こうに続いていて、その先は行き止まりだったんだ」
だから、一つのいたずらをひらめいたそうだ。
そこに俺を閉じ込めたらどんな反応をするのか。
そこはライトがなければ、何もない暗闇。
そんなところに逆吸血鬼を閉じ込めたら・・・・・喚くだろうか、叫ぶだろうか、きっとドアを激しく叩くだろう。
そんな反応を楽しむのが今回の探検の本当の目的だった。
「はじめは横井がドアを開けた瞬間に背中を押して閉じ込めるつもりだったんだ」
つまりこいつらはあの時、俺の背中を押そうとしてたのだ。
そのために、俺にドアを開けさせた。
そしてその直前に気づいたのだ、地下が水で満たされていることに。
暗闇で、水が満たされた地下に服を着ている小学生が背中を押されて飛び込んでいたら・・・・・・結果は火を見るより明らか。
「ごめん、そんなつもりはなかったんだ。ごめんよお」



537 逆吸血鬼と下水処理場跡 sage 2008/08/31(日) 18:34:33 ID:YaF8J6x30
「済んだことだし。実際にしたわけじゃないんだから、いいよ」
俺は何故か不思議と怒る気にはなれなかった。
それは予想外の事態に二人がかわいそうなくらいに怯えていたからだろうか。
特にスネ夫の怯えようといったら、普通ではない。
たしかに悪戯のつもりが危うく殺人犯になりかけていたのだから、当然といえば当然なのだろうが。

 ジャイアンと一緒に座っていたスネ夫は建物の中に居た時の俺以上に顔を真っ青にして座っていた。
「スネ夫どうしたんだよ?」
その様子があまりに気になったので俺は声をかけた。
「僕が話したことは嘘だったはずなんだ」
スネ夫はポツポツと語りだす。
何かが変だ、直感でそう思った。
「全部僕が思いついた作り話で、自信はかなりあった」
「そうだな、俺は最初からちゃんと分かってたよ」
俺はうなずく。
「嘘のはずなのに・・・・・・でも見たんだよ」

水の中に人がいるのを

「水が張ってあるという時点でおかしいとは思ってた・・・・・・」
スネ夫は顔を上げた。
建物の奥をじっと見つめていた。
「またまたそんな与太話かよ。今度は信じないからな」
内心ヤヴァいくらいビビリながらも、自分は平静を装った
恒例のスネ夫トークなんだと思った。
スネ夫は本当に話し方がうまい。
何もこんなときにそんな話をしなくてもいいじゃないか。
それも計算づくなのだろう。
だから最高に怖かった。
本当に100分の1でもあればいいなと思うよその才能。
「横井、実は俺も見た」


538 逆吸血鬼と下水処理場跡 sage 2008/08/31(日) 18:35:19 ID:YaF8J6x30
俺は油を差し忘れた機械のように後ろを振り返る。
正人がスネ夫と同じくらい真っ青な顔をしていた。
「自分もはじめは勘違いかと思ってた。勘違いかと思ってたんだけど、スネ夫も見たのならあれは勘違いじゃなかったんだ・・・・・だって」

水が右手を形づくって水面から出てきてたんだよ

「・・・・・・」
それは初耳だった。
少なくとも、

え?でも俺はそんなの見てないぞ・・・・・・
何だよ?皆で俺をびびらせやがって!
もう騙されないぞ、そんなのあるわけねえよ。
ここはただの下水処理場なんだからな。
いい加減にしないと怒るぞ。
絶対確かめになんか行くもんか!!

俺はそう思ってた。
「え?でも俺は・・・・」
そう口に出そうとして

ゴボン

という音、たとえるなら水の底から巨大な気泡が上がって表面で弾けたかのようなそんな音が聞こえた。
建物の廊下の先、例の地下室への入り口から。
「・・・・・・」
聞き違いようがない。
全員が一斉に振り向いたのだから。
俺たちは顔を見合わせて、その後全速力で下水処理場から脱出した。



539 逆吸血鬼と下水処理場跡 sage 2008/08/31(日) 18:37:41 ID:YaF8J6x30
 嘘から出た真、瓢箪から駒、そういう印象があった出来事。
本当にそんな噂なんて存在してなかったはずなのに、本当になったせいであっという間に広がった。
それ以来、しばらくの間小学生の間ではその地下室の場所を突き止めることが流行になった。
ところが、自分たち以外であの部屋を見つけた人は未だに居ない。
代わりに新しい噂が次々と生まれた。
曰く、下水処理場にいた番犬の霊が生前と変わらないまま下水処理場を守っているとか、右腕が本体を求めて夜な夜な徘徊しているとか。
実際にそれらを確認したわけではないが、俺たちの間ではそれらが下水処理場で本当のことになっているように思えてならなかった。
だから俺たちは噂が収まるまで決して下水処理場には近づかなかった。
俺たちだけが下水処理場では嘘が真実になると知っているために。

 俺たちが中学生のとき、その下水処理場は取り壊されることになる。
原因は火事だった。
誰かが下水処理場に侵入し、タバコを消し忘れたのだ。
ボヤ騒ぎから数日後、解体業者がやってきて3ヶ月もたたないうちにそこは更地になった。
高校生になったときには巨大なホームセンターになっていた。
昔の面影はもうどこにもなく、店の中で客が冗談半分に話したことが、本当のことになるはずもない。

 そういえばある日久しぶりに会った友人からこんな話を聞いた。
あの下水処理場の火事の犯人は未だに捕まっておらず、そして今日が時効だというのだ。
このときになってようやく、俺は下水処理場との因縁を断ち切れた。
放火の犯人の時効なんてどうでもいい話だが、あの下水処理場との関係を断ち切ってくれた点については感謝したほうがいいのかな?と、そう思った。
今その犯人はどうしているのだろう?
俺はホームセンターの駐車場にあるマンホールの前に立っていた。
そこは昔、例の地下室への入り口があった場所
「お前は知っているのか?」

ゴボン
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